人気のSUVとは?
最近、街中や自動車のコマーシャルでSUVってよく見かけますよね?
毎年J.D.パワーが実施している「日本新車購入意向者調査」の最新の調査結果でもSUVの人気ぶりが現れています。
この調査は、新車購入を検討中の人に向けて、どんなブランドの、どんなクルマを検討しているのかを、国産車・輸入車を合わせて28社の自動車メーカー、8セグメント(軽自動車、セダン、ミニバン等)、500種以上のモデルを対象に調査を実施した調査で、最新の結果を前年の調査結果と比べてみると、8セグメントのうち、1つだけ検討者が増えたセグメントがSUVでした。
SUVを検討している人は前回調査より4%増え、全体の31%。これは、実に、これからクルマを買う予定がある10人のうち3人がSUVを検討しているということになります。
購入検討モデルランキングでも、20モデル中5台のSUVがノミネートされています。
購入検討モデルランキングTOP20
1 位 | トヨタアクア |
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2 位 | トヨタプリウス |
3 位 | マツダCX-5SUV |
4 位 | 日産ノートe-POWER |
5 位 | マツダデミオ |
6 位 | ホンダ N-BOX |
7 位 | トヨタプリウスPHV |
8 位 | ホンダフィットハイブリッド |
9 位 | 日産セレナ |
10 位 | 日産セレナハイブリッド |
11 位 | ホンダフィット |
12 位 | トヨタC-HRハイブリットSUV |
13 位 | スバルフォレスターSUV |
14 位 | 日産ノート |
15 位 | スバルレヴォーグ |
16 位 | ダイハツタント |
17 位 | マツダCX-3SUV |
18 位 | スバルインプレッサスポーツ |
19 位 | トヨタヴォクシー |
20 位 | ホンダヴェゼルハイブリットSUV |
※メーカーのみ決まっているがモデルは決めていないという回答を除いたランキング
☆印=SUV
では、なぜSUVの人気が高まっているのでしょうか。
そもそもSUVとはどんな車かというと、sports utility vehicle(スポーツ用多目的車)の頭文字をとったもので、アウトドア、スポーツ、旅行に出掛けるのに便利な仕様のクルマを指します。
タイヤが大きいため悪路に強かったり、車高が高く運転席からの視界が良かったりといった特徴があり、パワフルに走れるクルマでもあります。
このような特徴を踏まえると「アウトドア好きが選ぶクルマ」というイメージが浮かびますが、実はそうとも言い切れません。よく使う(予定)と答えた人に、SUV購入後の使い道を聞いたところ、最も多かったのは「近所での買い物」(69%)、次いで小旅行(43%)、通勤・通学(42%)などが多く、「アウトドアを楽しむ」は22%に留まりました。
つまり、アウトドア派だけでなく、近場で乗るクルマや、日常的に使うクルマとしても支持されているということなのです。また、見た目のかっこよさも人気の理由となっているようです。
SUVを検討している人を検討していない人と比較したところ、SUVを検討している人の方がが「外装を重視」している人の割合が約15%多いことがわかりました。
従来のSUVは大型でごついデザインのクルマが多く、女性やあまり運転に自信のない人たちからは運転しづらそうな車と認識されがちでした。しかし、最近はスタイリッシュなデザインや、サイズがひと回り小さいコンパクトSUVも続々と発売され、敬遠しがちだった人からも支持されやすくなっています。バリエーションが増え、より多くの人が検討しやすくなったこともSUV人気に拍車をかけた理由といえるでしょう。
プロフィールから読み解く未来のSUVオーナーとは?
SUV検討者のプロフィールを探ってみると、家族構成の面では、独身の人、夫婦(子供なし)、自分の親と子供の3世代で住んでいる人で、SUV検討者が多いという結果が出ました。
また、子供がいる人(2世代で暮らす世帯)では依然としてミニバンの検討者が多く、34%となっていますが、SUV検討者も増加中で、前年調査の25%から31%に増えています。
子供の年齢別で見ると、SUV検討者で就学前の子供がいる人は32%、小学生の子供がいる人は38%、中学生以上の子供を持つ人が32%です。
一方、子供あり世帯で人気を二分するミニバンの検討者は、就学前の子供がいる人が47%、小学生の子供がいる人が46%、中学生以上の子供がいる検討者が37%で、子供の年齢とともに検討する人が減っていきます。
子供が小さいうちはベビーカーなど大きな荷物を載せる機会が多く、そのようなニーズにはミニバンがフィットしていると考えられます。一方、子供が大きくなると、アウトドアや旅行に出掛けるなど遠出する機会が増えます。このようなライフスタイルの変化から、子供の年齢とともにミニバン検討者が減り、SUV検討者が増えていくのではないかと推測できます。
また、SUV検討者に「車に対する考え方」を聞いたところ、全体平均と比べて、上質感を求める人、個性的なデザインのクルマを好む人が多いという結果が出ました。「私は友人や家族から車にとても詳しいと思われている」「ハンドル操作に機敏に反応し、力強く加速するクルマが好き」という回答も平均より高くなりました。
このデータを踏まえると、SUVオーナーはクルマに対するこだわりがあり、運転を楽しみたいという傾向が強いといえます。
言い方を変えると、そのようなこだわりに応えられるクルマを探し、SUVなら満足できそうという結論にたどり着いた人が多いということです。
SUVはアウトドアでの使用や遠出して遊ぶことを想定して作られているため、他のボディタイプと比べて走行安定性、居住性、操作性が高いと言えます。クルマとしての基本性能が高いことも、SUVが注目を浴びている理由といえます。
今後もSUV人気は続き、SUVのサイズやデザインのバリエーションも増えていくと予想できます。アウトドア好きの人に限らず、家族で出かけたい、かっこいい車に乗りたい、上質な車が欲しいと考えている人は、ぜひSUVに注目してみてはいかがでしょうか?ライフスタイルに合う一台、満足できるクルマと出会える可能性が広がるでしょう。
* J.D. パワー「2017年 日本新車購入意向者調査」
今後1年以内に新車乗用車の購入を検討している消費者(現保有車の有無、新車・中古車の別は問わない)を対象として、次回購入を検討している車のタイプ詳細(車の種類や仕様)や重視点、ブランド認知度や好意度、検討ブランド/モデル、ブランドイメージ、更には新技術に対する興味や関心など、消費者の意識や購買行動に関する情報を広範囲に収集した調査。2017年6月下旬から7月中旬にかけてインターネット調査を実施し、計10,000人から回答を得た。