東京モーターショー2019に
未来のクルマ・モビリティが一同に集結
-自動車メーカー編(後半)-
日本最大級のクルマ・モビリティの祭典「第46回東京モーターショー2019」が、11月4日(月・祝)まで、有明・東京ビックサイトにて開催中です。
今年の東京モーターショーは「OPEN FUTURE」をテーマ掲げ、世界8ヵ国、総勢187企業・団体が参加。業界の枠を超えクルマ・モビリティーの未来を体験できる空間を演出しています。
前半に引き続き、それぞれのメーカーが発表した次世代クルマ・モビリティを紹介していきます。
三菱自動車
三菱自動車代表は、未来の電動化技術におけるPHEVカテゴリーリードするために、電動化技術を採用した新型車を投入する計画を明かにしました。このような戦略を背景に世界初披露されたのが、三菱自動車『MI-TECH CONCEPT(マイテックコンセプト)』と『Super Height K-Wagon Concept(スーパーハイト軽ワゴンコンセプト)』のコンセプトカー2台です。
『MI-TECH CONCEPT(マイテックコンセプト)』のコンセプトは「光と風を感じながら大地を駆け抜ける電動SUV」。従来のガソリンエンジンに変わって軽量・小型なガスタービンエンジンを採用。PHEVシステムを搭載した小型SUVコンセプトでありながら、冒険心をくすぐるような、バギータイプのデザイン。ライトブルーメタリックを基調としたボディーカラーが、電動車としての先進性を物語っているような一台となっています。さらに独自技術の「デュアルモーターAYC」を前後輪にそれぞれ搭載した4モーター方式を採用し、障害物をものともしないパワフルな走行を再現しています。
一方で『SUPER HEIGHT K-WAGON(スーパーハイト軽ワゴン)』も新世代軽自動車として注目を集めていました。「いろいろなところに行ってみたい、もっと遠くまで行ってみたい」というドライバーの気持ちに応えるような、広々とした車内設計や「ダイナミックシールド」を採用した力強いSUVテイストのデザイン。そして、高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」や衝突被害軽減ブレーキシステム、踏み間違い衝突防止アシストなど「サポカーSワイド」に該当する予防技術「e-Assist」を採用することで、ドライバーの負担を軽減し、安全にドライブを愉しめるよう設計されています。
LEXUS(レクサス)
他と一線を画すラグジュリーな空間が印象的なレクサスブースに登場したのは、世界初披露となるEVコンセプト「LF-30 Electrified」です。
「LF-30 Electrified」は、レクサス初となる電気自動車でスピンドル形状のデザインをボディと一体化した流れるようなデザインが洗練された印象を与える一台。また、車両運動制御技術「Lexus Advanced Posture Control」は、四輪インホイールモーターの駆動力を自在に制御することが可能でドライバーに寄り添った走行体験を実現しています。
レクサスが掲げるのは、「Lexus Electrified」という電気化ビジョン。電気化技術を用いて車両の基本性能を進化させ、自動運転や電動化などのモビリティ社会が変化する時代を迎えても、クルマがもたらす楽しさ・喜びを提供し続けるというものです。レクサスの今後のクルマ・モビリティを誕生させる主軸となるこの思想は、2025年までに全車種に電動車を設定することを明かにし、EVが今後のクルマ・モビリティの中心となる未来を示唆しているようでした。
メルセデス・ベンツ
メルセデスベンツは、クルマ・モビリティの電動化を包括するブランド「EQ」を立ち上げており、7月にはメルセデスベンツ初となるEV「EQS」を発表したのも記憶に新しいと思います。
東京モーターショー2019年では、EV最新モデルの『ヴィジョンEQS(Vision EQS)』がアジア初公開となりワンランク上のEVの姿が明かになりました。このVision EQSのデザインキーワードは、“One Bow(ひと張りの矢)”で、「一つの弓形でフォルム全体を書き出す」というデザインを具現化した一台となっています。洗練されたボディはもちろん、前後車輪に電動モーターを搭載。4WDの駆動方法は、出力350kWもありトルクは約760Nm、そして0-100km/h加速は4.5秒未満と公表されており、洗練さにパワフルな走行感を実現しました。
さらに、ディーゼルプラグインハイブリット『E350de』や燃料電池とバッテリーの両方のエネルギーで走行するプラグインハイブリッド『GLC F-CELL』。コンパクトなボディーが特徴の二人乗りEV『Smart EQ fortwo』など、13台のバリーエーション豊かなモビリティを多数公開しました。
マツダ
マツダブースのテーマは『人(あなた)と共に創る』。クルマを通してドライバーの人生に輝きを提供するという理念をもとに、マツダ初となる量産EVを世界初公開し会場の注目を集めていました。
そんな会場の期待値が高まるなか登場したのが、マツダの開発哲学である人間中心の設計思想を基に、EVならではの特性を活かした『MAZDA MX-30』です。新生代商品の第3弾として発表されたこの一台は、「魂動(こどう)-SOUL of MOTION-」のもと芸術性が高まったデザインと人間中心の開発思想に基づいた電動化技術「e-SKYACTIV」を採用。ドライバーが意のままに動かせる操作感と滑らかな車両性がポイントです。
2020年で創業100年周年を迎えるマツダが、市場に放つ独自性の高い量産EVがモビリティニーズにどのような影響を与えるのか期待が高まります。
日野自動車
各自動社メーカーが、多種多様な未来のクルマ・モビリティを提案するなかで、従来のモビリティの概念を変える一台を世界初披露しました。それが変幻自在に暮らしを最適にするモビリティコンセプト『FlatFormer(フラットフォーマー)』です。
このフラットフォーマーは、動力とボディ部分が分離できるのが特徴。移動としての手段だけではなく、サービスを通じて人々に価値を提供する場へとモビリティを進化させたプラットフォームです。モーターを一体化したフロントの駆動系ユニットのほか、走行用バッテリーなどを備えています。
このフラットフォーマーは、多様な目的で使用できるモビリティの新な形を提案したコンセプトカーで、自動運転と電気自動車を前提として設計されています。ケータリング、オフィススペース、パッセンジャーなど、用途に応じてフラットフォーマーと上部をアクティブマウントでつなぎ変えるだけ。これまで、店舗や建築物に縛られていたものを輸送できるので、サービス空間の場が広がり、拡大する未来が想像できました。
フラットフォーマーは、モーターショー向けに制作されたアニメ『あの日の心をとらえて』をモーターショー向けにお披露目。プレスカンファレンスでは、未来の日野自動車“社長”は登場し、現在の代表取締役社長下義生氏と掛け合い未来のモビリティ社会について対談するといった工夫を凝らしたプレゼンテーションが会場をあっと驚かせていました。
クルマ・モビリティの未来を会場でその目に焼き付けよう
いかがだったでしょうか?これまで「第46回東京モーターショー2019」でベールを脱いだ、各自動車メーカーのクルマ・モビリティについて簡単に紹介してきました。モーターショー2019は、10月23日(水)~11月4日(月・祝)まで開催中。クルマ・モビリティの未来の姿を体験できる魅力的なコンテンツの数々をぜひチェックしてみてはいかがでしょうか? 今までのクルマやモビリティの概念が変わるきっかけになるかもしれません。
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