キャッシュレス決済の変化が
ビジネスに与える影響力とは

キャッシュレス決済の「実態とユーザーの意識」とは?

キャッシュレス決済の「実態とユーザーの意識」とは?

「キャッシュレス決済」、利用していますか?
コンビニやレストランの店頭に、対応可能な決済サービスのロゴマークがずらりとならんでいたり、複数の決済用端末が用意してあったり。広告やテレビCMでも「キャッシュレス決済」を目にしない、耳にしない日はありません。

一口に「キャッシュレス決済」といっても、クレジットカード、電子マネー、QRコードにデビットカードなど種類も決済方法も多種多様。J.D. パワーでは、2019年8月に初めての「キャッシュレス決済に関する実態・意識調査」を実施しました。

その結果を見ると、スマートフォンによるキャッシュレス決済は、20~30代の「スマホ世代」中心に浸透しており、約半数の方が利用していることが分かりました。ですが、キャッシュレス決済全体に占めるスマホ決済の利用度は約4割。利用していない方からは、「セキュリティ面に不安がある」という声があがっていました。最も使われているのは「クレジットカード」。「今後も使う」と回答した人も多くいました。広告やテレビCMで目にすることが多いスマホ決済ですが、この結果はちょっと意外ですね。

1ヶ月以内におけるスマートフォン決済機能の利用有無(SA)
J.D. パワー 2019年キャッシュレス決済に関する実態・意識調査
「1ヶ月以内におけるスマートフォン決済機能の利用有無」
スマートフォン決済機能に対するイメージ(MA)
J.D. パワー 2019年キャッシュレス決済に関する実態・意識調査
「スマートフォン決済機能に対するイメージ」
1ヶ月以内に利用したキャッシュレス決済方法
J.D. パワー 2019年キャッシュレス決済に関する実態・意識調査
1ヶ月以内に利用したキャッシュレス決済方法
今後(今後も)利用してみたいと思うキャッシュレス決済方法
J.D. パワー 2019年キャッシュレス決済に関する実態・意識調査
今後(今後も)利用してみたいと思うキャッシュレス決済方法

この調査で分かったキャッシュレス決済の実態、そしてユーザーの意識ですが、10月に施行された消費増税で様相が変わるかもしれません。

スマホ決済大躍進の可能性はどこに?

スマホ決済大躍進の可能性はどこに?

『PayPay』や『LINE Pay』などに代表されるスマホ決済は、画面にQRコードやバーコードを表示させて決済に使用します。携帯電話キャリアやコンビニ各社も算入し、様々なキャンペーンを実施しています。キャンペーンでは利用料金が割引されたり、利用額に応じてお金やポイントが還元されたりします。そのお得感から、先ほど紹介した調査でも、「今後利用したい」と考えている方がとても多いという結果が出ています。

その利用意向に拍車をかけるのが、政府が実施している「キャッシュレス・ポイント還元事業(※1)」です。2019年10月から2020年6月までの9ヶ月間実施される、消費底上げとキャッスレス化推進をねらった大規模な施策で、登録されたお店でキャッシュレス決済を利用すると、利用額の最大5%がクレジットカードや携帯電話キャリアなどのポイントとして還元されます。

経済産業省はこの施策で2025年までにキャッシュレス決済の比率を40%まで押し上げることを目標にしています。また、経産省が発足した「一般社団法人キャシュレス推進協議会」は、2020 年までに外国人が訪れる主要な商業施設、宿泊施設および観光スポットにおいて「100%のクレジットカード決済対応」 および「100%の決済端末のIC 対応」を実現するとしています。

これらの施策により、スマホ決済の利用は大きく伸びると予測されるのです。

出典:キャッシュレス・消費者還元事業(https://cashless.go.jp/)

スマホ決済の成長がビジネスを左右する!?

スマホ決済の成長がビジネスを左右する!?

前述の政府の施策に加え、スマホによるキャッシュレス決済は、
・キャッシュレス決済事業者のキャンペーンによる現金・ポイントの還元
・クレジットカード会社のポイント・支払金額還元
があるため、「お得に買い物ができている」感覚があり、消費増税が実施された現在では出費拡大を緩和するイメージもあります。現在、スマホ決済はコンビニや飲食店、ネットでの買い物が主な利用範囲ですが、今後は導入する業種・店舗も増加し、一般的な決済方法に成長していくと考えられます。すでに神社のお賽銭など意外なところにも導入されているんですよ。

「QR コード・バーコード決済サービス顧客満足度調査」の結果を見ると、現在、ユーザーはキャンペーンの内容やアプリの使い勝手でどのキャッシュレス決済を使うかを選んでいることがわかります。

2019年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査
J.D. パワー 2019年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査℠
総合満足度を構成するファクター

ですが、キャッシュレス決済が浸透すれば、セキュリティや利用できる範囲の広さなども選択の大きな理由となってくるでしょう。キャッシュレス決済の事業者にとっては、利便性の向上や利用店舗の拡大とともに、セキュリティの強化に努めることが利用者拡大につながるビジネスのポイントとなるでしょう。そういった点に注力し、多くのユーザーに選ばれているキャッシュレス決済を導入することが、企業にとってもお客さまに選ばれる一つの選択肢になってくるでしょう。キャッシュレス決済の満足度やトレンドを知ることが、ビジネスの成長のひとつのカギとなるかもしれませんね。

2019年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査
J.D. パワー 2019年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査℠
顧客満足度ランキング (1,000ポイント満点)

J.D. パワーでは、CS調査のアワード&ランキングにおいて『QR コード・バーコード決済サービス顧客満足度調査』の発表を2019年よりスタートしました。今後のビジネスの一つのカギになるかも知れない、スマホによるキャッシュレス決済。ぜひアワード&ランキングにもご注目ください。

チェック!CS アワード&ランキング発表はこちら
https://jdpower-japan.com/ranking/date/2019/#finance

おすすめコラム

増税、キャッシュレス決済、年金…
2019年の“お金”にまつわる
アンケート調査結果とは