August 5, 2016

顧客満足度とは何か?

「我々には値段どおりのものしか作れない。すばらしい品質やサービスを望むなら、当社の製品でなく、ケチケチしないで高級ブランドを買えばいいんだ」 (ダイヤモンド社「J.D. パワー 顧客満足のすべて」J.D. パワーⅣ世+クリス・ディノーヴィ著、蓮見南海男訳より)

こんなことを、今、企業の幹部が言ったらSNS大炎上間違いなしですね。

でも、20世紀には、実際にこういう発言をした企業幹部がいたのです。

いまやどの企業にとっても「顧客満足度の向上」は重要事項です。企業の社長たちのメッセージには「お客様にご満足いただくことが我が社の目標です」というのがよく見られます。

しかし、世の中には長時間待たされる銀行、約束が守れないサービス・スタッフ、コールセンターに電話しても1回で問題が解決しなかったり、自動応答システムしか対応してくれないなど、消費者の不満の種には事欠きません。

1. 顧客満足度とは

「顧客満足度」とは、それぞれの商品・サービスに関してすでに利用した人が、どのくらいの満足を得たのかを示すものです。

顧客満足度は、数式的に表すと、実際に商品(サービス)を使ってみて認知した価値(知覚品質)から顧客が事前に抱く期待値を差し引いたものです。

521_Corrected

 

つまり、事前の期待が高ければ、それ以上の知覚品質がないと顧客満足度は低くなり、事前の期待を超える知覚品質があれば顧客満足度は高くなります。

例えば、それまで「ジーンズは6000円〜8000円はする」と思っていた消費者の目の前に、1000円台のジーンズが現れたとします。この人は「1000円台ならダメでもいいか」と思って購入します。期待値はほぼゼロです。ところが履いてみると履き着心地が良く、洗っても縮んだりせず満足感を得られました。この時の顧客満足度は高い値を示します。

一方で、高いお金を払って高級ホテルに宿泊するときには、事前にこのホテルに対して高い期待値を持っていることが多いでしょう。そうすると、チェックインの時に少し待たされてしまったとか、朝食のトーストが少し焦げていたとかという、ほんの些細なことにも目がいって顧客満足度が下がってしまうのです。

また、いったん高い満足度を感じると、その商品やサービスに対する期待値が一気に上がります。この影響は競合商品(サービス)にも及びます。「1000円台のジーンズでこれだけ良いのだから」と、もともと買っていた6000円〜8000円のジーンズには1000円台のジーンズよりも高い期待を持ってしまいます。また、昨年満足した1000円台のジーンズが翌年同じ値段で新モデルを出すと、昨年以上の高い知覚品質を求めてしまいます。

オートフォーカス・カメラが登場した時の顧客満足度は非常に高まりましたが、翌年にはそれが当たり前となり、顧客の評価は「すごい!」から「それだけ?」に、たった1年の間に変化してしまいました。

このように、期待値は年とともに向上していきます。

こういった状況の中で、J.D. パワーの調査では自動車販売店ではレクサス、ホテルではザ・リッツカールトンが長きに渡って非常に高い満足度を得ています。

 

037

502

 

このようなブランドは、つねに努力を怠らず、前年よりも今年、今年よりも来年、と自社のレベルを高めている尊敬すべきブランドです。

顧客満足度調査では、このような企業を知ることが出来ます。