From China

中国の自動車ローン市場が急騰

自動車販売金融は米国では既に一般的だが、中国ではまだ比較的新しい考え方である。従来、自動車販売金融はあまり一般的ではなかったが、近年状況が変わりつつある。

3年前、私たち夫婦はあるクルマを購入したくて車のディーラーを訪れた。当時夫は希望していた車を購入するだけの資金を持ち合わせていなかったため、希望していたモデルよりも機能や装備の少ない、似たような車を購入することにした。それから月日は流れ2017年。私たちは車をアップグレードしてより先進的な新しい車に買い替えようとディーラーを再度訪れた。すると、セールス担当者は私たちに自動車ローンのプランを提示してくれ、私たちが希望していたよりも更に上位グレードのモデルも購入できることを紹介してくれた。私たちは有頂天になった。

自動車販売金融は中国で非常に大きな存在感を示すようになったが、そのような大きな変化をもたらした原因は何だろうか?J.D. Powerは中国の消費者の自動車ローンに対する意識調査を実施した。その結果、銀行、カーファイナンス専門業者、オンラインファイナンスプラットフォームの3つが自動車ローンのチャネルとして主に認識されていることが判明した。もしも自動車ローンがなければ自身の購買選択にどう影響するかを問うと、35%は自動車ローンの有無に関わらず自分の欲しい車を欲しいオプションで購入すると回答。しかし、大半(53%)は欲しいオプションを減らして欲しい車を購入すると回答している。このことから、自動車ローンは中国の消費者の購入決定に重要な役割をはたしていると言える。

中国:自動車ローンなしで車を購入する場合の影響

消費者のローンを支えるプロモーションでもっとも重要なのは以下である

  • ゼロ金利
  • 頭金の少なさ/月々の支払額の少なさ
  • ローン/リースする車の特別価格

Chinese Automobile Industry AssociationとJ.D. Power Chinaが共同で出版したChinese Passenger Car Market Price Indexによれば、中国の自動車市場では2018年も引き続き緩やかに価格が上昇することが予想される。また、低排気量車への税優遇策の撤廃を受け、今年の販売台数予想はあまり楽観視できない状況である。一方で、自動車販売金融関連の政策を踏まえた動きは2018年に増加すると予想され、消費者にとってはよい知らせとなる。

また、同調査から、中国の消費者の大半は車を購入前の時点で車のローンについてある程度理解していることがわかる。対象者の約2/3(62%)が“基本的なことは理解している”と回答しており、27%は“必要な情報は理解している”と回答している。消費者がローンの情報を得られる手段は増えており、また情報の種類も増えている状況である。調査によると、自動車ローン情報の入手方法は主に以下の3つ。

  • クルマ関連ポータルサイト
  • 自動車メーカーサイトや自動車メーカーWeChatアカウント
  • バナー、ポスター等ディーラーの広告

自動車の購入方法としては“車スーパーマーケット”の出現やオンラインショップなど広がりを見せているが、それでも大半の消費者(82%)は従来通りのディーラーでの購入を選択しており、オンラインでの購入を選んだのは7%に留まる。
中国の経済が今後も成長するのに伴い、自動車販売金融業界もオンライン自動車ローンの普及や中古車ローンに支えられてますます成長するであろう。そして将来的には、私たち夫婦を含め大半の中国人消費者が理想の車を購入するために自動車ローンを利用するような時代がやってくるのであろう。

筆者紹介
Acy Min
J.D. Power 上海オフィスにてマーケティングを担当。デジタル化社会における自動車のマーケティングに注目しています。

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